【楽曲アレンジ・ミックス】トランジェント系プラグイン『TRANSIENT MASTER』で、リズムパートの立ち上がり・余韻をコントロール

今回は、昔買ったNIエフェクターバンドルに入っていたトランジェント系プラグインについてのお話しです。アタック・リリースといったシンプル操作でありながら、アレンジ・ミックス時には活躍しそうな印象。簡単にですが、ドラムのパートにかけてみて、効果を確認しましたので、さっそく確認していきましょう。
(昔、コラムに書いていた記事を追記してまとめました。)

Transient Masterとは?操作方法・入手方法は?


NIのエフェクトバンドルに入ってた、トランジェント系プラグイン。操作はアタック(立ち上がり)とリリース(余韻)のふたつのつまみに(あとゲイン)、アタックのスムーズ感とリミッターというサブスイッチが二個。非常にシンプルです。

元々の単語『transient』の意味は『一時的な・瞬間的な・はかない』という意味で、『持続音とかではなく、一瞬の立ち上がり・余韻に焦点を絞った』ことから、こんな呼ばれ方をしていそう。
Native Instrumentsのkompleteバンドルについてくる他、単体での導入もできます(単体で買うときはeバウチャーなどが使えます。)。

トランジェントエフェクト処理を、実際にやってみよう

もともとの状態のお題トラック


とりあえず、エフェクタ効果が優先なので、こちらは短時間で適当に作ってみました。まぁ、疾走感のある、オーソドックスなロックと言えるでしょう。ただし、普通過ぎて特筆すべきところが無いようなきもします。

drトラックに、アタック遅く・リリース長くでかける『ふわふわドラム』



ドラムにこのセッティングでかけるなら『別にroomだけ鳴らせばいい』んで効果的とは言えないですが、こういう音もできます。アタックおそめ&リリース長め。

全体の印象をシャープに。マスタートラックのアタック強めセッティング



マスタートラック(全体にかかる)でのエフェクト処理です。アタックは上げつつも(やり過ぎるとリミッターが押さえきれない)ので、マージンをとるためにゲインを少し下げる感じで。
歯切れがよくなって、スネアなどが聞こえやすくなっています。ただし、ほかの楽器も入ってきた場合は余韻やリバーブでの混ざり具合調節も必要です。

余韻をきったり、音源じゃないオーディオデータ(録音した歌・ギターなど)のエンベロープ調整もできる点で、トランジェント系プラグインも、なかなか重要になってきているかも知れません。

応用・ジャズ系ドラムキット&TRANSIENT MASTERアタック50%程度



ロック系ドラムキットで、アタック強めだと抜ける音になりますが、応用として逆パターン。『ジャズ系ドラムキット(ブラシスネアなど含む)にアタックを弱めてみた』というパターンです。アグレッシブさは薄れますが、手数をガッツリ増やしてもソフトな印象になります。
激しいアレンジのときは、ドラムが抜けてこないとノレませんが、ソフトめのアレンジでは逆の手法が使えます。

あとがき・まとめ

  • Transient Masterはアタック(立ち上がり)・リリース(余韻)のシンプル操作で、シンセサイザーなどを触っていた人はイメージがつかみやすい
  • アタック弱め(またはリリース長い)でフワッとしたサウンドになり、アタックを強くすると抜けてくるサウンドに
  • ソフトなアレンジでは、逆に抜けさせないといったドラムも組める

まとめるとこんなところでしょうか。今回はドラムトラック中心に使いましたが、『オーディオ録音したギターやベース』『オーディオ素材』などにも、状況を見てかけてやると、ミックス時の選択肢が増えそうです