ボーカル・声素材のフォルマント調整で、高い/低い声にする(MeldaProduction・MAutoPitchプラグイン使用)

今回は、ボーカル・声素材などのエディット工程についてです。MeldaProduction・MAutoPitchというプラグインを使って、ボーカル・声素材のフォルマント調整を行ってみます。管理人はwaves・ultrapitchも使っていたので、それとの比較も少し混ぜつつ、音声も確認していってみます。

フォルマントとは?

このサイトでは詳しくは説明しませんが(音声学者の論文のほうが詳しいので。興味がある方は読んでみましょう。)、人間の声に含まれる周波数のピークになっている部分で、音色を決定づける部分です。F1・F2・F3みたいな感じでわけてあって、『母音のあ』と『母音のい』で、『い』のほうがF2周波数が高い、というような研究をしている方も見受けられました。また、男性・女性でもフォルマント周波数が異なっています。

オーディオプラグインにおいては、音程は同じでもフォルマント周波数を上げて高い感じの声に加工(または、その逆)というように使われることが多いといえます。

今回使ってみるピッチ・フォルマント調整プラグイン~MeldaProduction・MAutoPitch


MeldaProductionは調べたところ、2009年に設立したチェコのメーカーのようです。ここでは販売用(セールも割と多い)のほか、フリーで使えるバンドルも配布しています。MAutoPitchはバンドル(MFreeFXBundle)にも入っている模様です。

ボーカル・モノフォニック(単音)楽器用で、ピッチ調整のほか、フォルマント調整やステレオ広がり感の拡張などの機能もありました。操作はシンプル、動作も軽量な印象です。

MeldaProduction・MAutoPitchでフォルマント調整をしてみる

元の状態(『カモン・yeah』といった掛け声素材)


楽曲にいれたボーカル素材(『カモン・yeah』といった掛け声素材)です。これが、エフェクターをかけていない状態です。このままでも良いのですが、楽曲の雰囲気に合わせて、声素材のフォルマントも変えてみると楽しめます(プリセット素材も、そのままだとハマらないことが多いからです)。

フォルマント上げ最大に→ケロケロ感のある高い声に



ピッチはそのままでしたが、フォルマント上げにより、昔auto tuneやボイスチェンジャーなどでやる人も多かった、ケロケロした感じの声に。これは極端な使い方なので、ケロケロにしない場合は、ここまでガッツリ掛ける必要はなさそうです。

フォルマント下げ→落ち着いた印象の声に



バックのドラムが大きめで低音が出ているので、フォルマント下げをマックスにすると聴こえなくなる印象がありました。ので、50%くらいでかけてみると、落ち着いた感じになりました。

あとがき・まとめ

管理人は以前waves・ultrapitchも使いましたが、比較すると『極端にがっつり掛けると、どっちも音が劣化するとはいえ、waves・ultrapitchは滑らかにかかる印象』『MeldaProduction・MAutoPitchはやや、メカ感が出るかな』といった印象でした。ジャンルによっては(EDM・デジタルロックwtc)こちらのほうが効果的かもしれません。

バラードやアコースティックサウンドでメイン歌に強めにかけるのは非推奨ですが、サブのパート(ハモリ・掛け声)・推奨ジャンルなどにおいては、使い勝手が良いかと思います。一人でハモリもやる場合、これで少しデチューン&フォルマント調整、というような使い方もできます。