歌パートを強化する、コーラス・ハモりパートのつけかた

今回は歌もの音楽制作において外せない『コーラス・ハモりパート』について取り上げます。レコーディングした歌を一本だけのせても、『売っているCD・配信データみたいに、歌が前面に出てこない』ということがあり(もちろん、EQなどのエフェクト処理は必要)、そういう時はコーラス・ハモりパートを足してやります。
『前提条件として必要な知識』『基本的なつけかた』『そのほかのパターン』で見ていきましょう。

前提として押さえておきたいポイント~音程関係やキー・和音構成音

音程関係(長3度・完全5度みたいなやつ)


管理人のところには、アレンジをするときに『ハモりもレコーディングしたいから、メインメロディに対して3度や5度で付けてくれ』みたいなオーダーがくることがあります。『3度』というのが音程関係を表す言葉で、上記の画像のようなものがよく使われます。

短2度・半音上などはあまり使われない印象。ディミニッシュ和音のときは、ハモリに減5度がはいることがあります。また3や7度のように『長3度・短3度』『長7度・短7度』と、複数存在するものもあるので、混同しないようにします(響きが全く違います)。

キーと和音構成音


例えば、A♭メジャーの場合、キーに含まれる音と、そのキー内に出てくるコード(ダイアトニック和音といいます)は、このようになります。基本的には、キーに合わせてハモリパートのメロディを作っていけば、響き的に安定します

和音構成音にあわせる件についても、押さえておくと、ハモリパートでも『長めに伸ばす音は和音構成音にする・短い経過音などは構成音以外でもOK』といったつけかたができるでしょう。

基本的なハモリ・コーラスを含む歌パートの例

メインメロディ歌~ユニゾンで左右に振り、広がり感を


マイク一本で録るとモノラルになりますが、これをステレオで左右に振ってやっても厚み・広がり感がでます。ハモリが無い部分でも、ほんのりディレイ・リバーブで余韻を作ってやります。リバーブかけすぎ・左右定位の振りすぎは、歌がぼやけるので避けます。

3度・5度下でのハモリ&セクション・フレーズによって上ハモリで3声に


楽曲のセクション・盛り上がりポイントに応じたハモリフレーズ入れです。平歌の部分はメイン歌中心で回し、Bメロセクションから2声・さびセクションからは、一部のフレーズで上にも重ねて3声というハモリ構成になっています。

なお、こちらもステレオになっていますが、メイン歌と重ならないように、左右の定位を少しずつずらします(音が団子になる・飽和する感じになると、聞き苦しいかもしれません。)。

その他のコーラス・パターン

(メイン)別テイクを小音量で重ねて、複数で歌っている感じに

『別テイクが採用テイクとほぼ近い出来で、歌詞などの間違いがなく、微妙にニュアンス変わるだけ』といった時は使えるかもしれないアイデア。テイクによって微妙にピッチなどが変わるので、薄く重ねてやると、複数で歌っているかのような厚みが出ます。シンセサイザーなどでも『デチューン&レイヤー』でやるかも。本当にうすーく乗せるのがポイント。

メインを追いかけるコーラスフレーズ

オーディオの画像は貼りませんが、それよりわかりやすい例を。特定のフレーズに対して『輪唱・かえるのうた』みたいに少し間をおいて追いかけてやります。
ハモリパートをやる他に、一部のフレーズに対して、追い掛けるコーラスをいれても楽曲が豪華になります。

『uh~・ah』などでロングトーン

洋楽のR&B・ハウス系のアーティストとかだと、こういうのがいっぱい入っていることが多いので、ご存じかと思います。管理人はjpopをあまり聴かないんですけど、jpopにも探すとあるかもしれません(90年代のビーイングとか、ガッツリコーラス入れることが多かったので、あるかも)。やるときは、上に乗っかっている、楽器アレンジは控えめにすると良いでしょう(音が飽和して聞き苦しい)。

掛け声・シャウトetc.

サンプリング音声などで購入することもできますが、スタジオに複数人数で入れるときは、やってみても楽しいでしょう。