今回は、EDM制作・アレンジで使われるアイデア『ビルドアップ』について取り上げます。シンセサイザーで上げるのはよくあるけど、スネアなどドラム/パーカッションでやってもカッコいいです。ここでは『使われている例・作り方やdaw操作法・管理人が作ってみた例』などを確認していきます。
スネアロールなどドラム/パーカッションで、音程をあげてビルドアップする例
通常、EDMだと、『シンセサイザー音で』(あれ正式名称知りません笑。)みたいな曲が多くあります。探してみると、『スネアなどドラム/パーカッションで、音程をあげてビルドアップ』というものも、かなりの頻度で確認できました。
言葉で説明するより早いので、まずは2例聴いて、確認してみましょうか。
Teebo – Bullet (Original Mix)
管理人が、以前サウンドクラウドでプレイリストにまとめていた中にも、この手法を使っていたのがありました。00:23~あたりから、スネアの音程が上がっていくビルドアップが確認できました。他のシンセサイザー音も合わせてあげているようです。
◆Teebo – Bullet (Original Mix)(soundcloud)
https://soundcloud.com/pmpdrecords/2be-crazy-bullet-original-mix-1
MickMag & JustBob Feat. Shwann – NEON
こちらにもパーカッションで上げていくタイプのビルドアップが。だいたい00:37~あたりで、このビルドアップが使われています。
◆MickMag & JustBob Feat. Shwann – NEON (soundcloud)
https://soundcloud.com/mickmagandjustbob/mickmag-justbob-feat-shwann-neon-original-mix-1
スネアロール音程をだんだん上げていくビルドアップ作り方(例:xpand2使用)
おそらく打楽器のチューニングを時間軸操作できる音源であれば、どれを使ってもできると思います。ここでは、記事作成時点ではかなり旧式(10年以上前)と思われる、xpand2を使ってみましょうか。
オートメーションにpitch(音程)アサインし、時間軸に沿ってあげていく
まずは、もとの状態です。スネア音を入力しました。だんだん細かくしてロールのように。これだけでもそこそこ聴けますが、もう一工夫ほしいところ。
で、xpand2のオートメーションに、『pitch(音程)』をアサインします。part Aの5番目がpitchなので、これを追加。
あとは、daw上で音程をどんどん上げていくと、こんな感じになります。50%以下の値がでてないのは、低すぎてキックやベースとぶつかり、汚い音になったというわけがあります。
スネアロール音程をだんだん上げていくビルドアップから、ドロップへ
ついでに、『メインのシンセサイザー音メロディが出てくる、ドロップセクション』への流れも入れてみました。ビルドアップ後に、一拍空白を空けて、ピアノがフィルター開けて出てくるようにもしました。つながり的には良さそうです。
Native Instruments Batteryでの操作→こちらもオートメーションアサインで可能
一般的なダンスミュージック向けドラム音源というと『Native Instruments Battery』があります。こちらも基本的にはオートメーションで。パネルの右下に、選択したパッチのチューニング(tune)があり、ここで音程を操作します。
つまみを右クリックで『enable host automation』が出るので、ここをクリック。id:0というのは、オートメーションの何番目にアサインされたかの番号です。0からカウントのようですね。
あとはxpand2と同じように、音程がアサインされたid:0番を追加。これでオートメーション上で、ドラムのパッチも音程が操作できるようになりました。
(*dawによっては、表示のしかたが異なりますが、オートメーションはだいたいのdawが使えます。)
管理人が作ってみた例
管理人が著作権フリー曲サイトSSF用に作った曲です。ドロップ前などで、今回のビルドアップを使用しました。太いシンセとかより、軽い印象になったようですね。
あとがき・まとめ
- スネアロール音程をだんだん上げていくビルドアップは、音程操作さえできれば可能
- xpand2やNative Instruments Batteryなど一般的な音源では、オートメーションに音程をアサイン
- 下げ過ぎると、キックやベースとぶつかることも
まとめると、このようなところでしょうか。スネアの音程をあげていくと軽くなるので、少し軽い印象を出すにも良いでしょう。また、シンセサイザー上昇と合わせて使ってみてもokです。